新型コロナウィルス、なかなか鎮静化しないですね。私自身、社会人になってから数多くの「危機」を見てきました。90年代初頭の日本の資産バブル崩壊、90年代後半のアジア通貨危機、2000年代初頭のインターネットバブルの崩壊、2008年のリーマンショック、そして2011年の東日本大震災。
ただ今回の新型コロナウィルスは、①経済の危機ではなく、人命に係る目に見えない病魔が突然襲い掛かってくること、②全世界レベルで同時に起きていること、③終わりが見えず、今が果たしてどのステージの「危機」であるかがを判らないこと、において、非常に厄介な「危機」であると感じています。
私も多くの会議、大学クラス、勉強会、公開セミナーや社内研修の機会が、延期、またはキャンセルとなっています。そんな中でも粛々と今できること、こうした事態だからこそ得られた貴重な時間でできることを進めていこう、今はそんな気持ちを持って、日々取り組んでいるところです。
そんな中で、リモート環境での教育への注目が高まっています。幸い私も書籍を7冊出版し、動画によるe-learningプログラムを保有しています。かつ、実はネット上での議論をインタラクティブにファシリテートすることを20年近くにわたって企業研修やビジネススクールの場で行ってきているため、実は得意な分野です。
そこで、仮にすべてをリモート環境で行った場合、どのようなプログラムがご提供できるか、流れとして提示してみることにします。
STEP 1 書籍による事前学習
(所要1週間)
- 研修の目的、対象者、目指すべきゴールに応じて選定した書籍を研修受講者は読了し、与えられた設問への解答準備を行った上で、期日までに提出する
- ベーシックは「ビジネススクールで身につける会計力と戦略思考力」(大津広一著)、アドバンスドは「戦略思考で読み解く経営分析入門」(大津広一著)を課題図書とする
- 書籍に関する疑問点を受講者が共有し、講師またはサポートスタッフを交えたインタラクティブなやり取りを行うことができるバーチャル上の環境を提供する
STEP 2 動画によるオンライン講座の受講
(所要2週間)
- BBTオンライン講座「マネージャーのための戦略的財務会計」(大津広一講師)を受講する
- 履修内容は、①イントロダクション、②損益計算書の構造とケーススタディ、③バリューチェーンで読み解く損益計算書、④貸借対照表の構造とケーススタディ、⑤ROAマップで読み解く貸借対照表、⑥CF計算書の構造とケーススタディ、⑦会計力と戦略思考力 3つの決算書を同時に読む
- オンライン講座に関する疑問点を受講者が共有し、講師またはサポートスタッフを交えたインタラクティブなやり取りを行うことができるバーチャル上の環境を提供する
STEP 3 ケースメソッドによる、バーチャル上のディスカッション
(所要2週間)
- ハーバード・ビジネススクール、INSEAD、慶應大学ビジネススクールなどの有名ビジネススクールのケースが、比較的安価で入手可能。研修の目的、対象者、目指すべきゴールに応じてケースを選定し、スレッド形式で投稿が可能なネットシステム上にて、講師を交えたインタラクティブなディスカッションを行う
- 日本語ケースは数に制約がある一方、英語ケースは数千に及ぶ豊富なケースが存在。英語でのビジネス推進が不可欠な昨今、本来は英語でのライブ研修を行いたいところだが、受講者の英語レベルがそこまで追いついていない場合、バーチャル上のテキストによるディスカッションからスタートすることで、より能動的な英語によるケース討議を行うことが可能
本フローの特長として、以下の3つを挙げることができます。
- 3つのステップでしっかりと時間をかけながら、段階的かつ集中的に学ぶことで、定着度がアップします。
- ① 書籍 ⇒ ② オンライン講座 ⇒ ③ ケースメソッドのバーチャルディスカッションを、一人の講師のコンテンツで一貫して行うことで、受講者は安心して内容に集中することが可能となります。
- 第3ステップのケースメソッドでは、財務会計 or 管理会計、日本語 or 英語、多種多様な業種など、研修の目的、対象者、目指すべきゴールに応じて豊富なリストからケースを選定することが可能となります。
偶然にも、ちょうどこの記事を書いていた朝方に、ハーバード・ビジネススクールから下記のメールが届きました。
ライブで行う学習機会への制約が高まる環境下であっても、優良なコンテンツを使って最大限の効果を発揮するために、世界中の教員の力を結集しようとする動きと思われます。
詳しくは、下記よりどうぞお問い合わせ、ご相談ください。